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高齢者の主観年齢が高いと認知症になりやすいのか

高齢者の主観年齢が高いと認知症になりやすいのか

高齢者の中で、主観年齢が高い人は認知機能が低下しやすく認知症になりやすいそうです。主観年齢の意味や認知症との関連について、見てみましょう。

主観年齢とは自分で感じる年齢

同じ年齢の人であっても、見た目はそれぞれ違うものです。

例えば、同窓会に出席して、改めてそう感じたことがある人もいるはずです。学生の頃とあまり変わっていないように見える人がいるかと思えば、以前の面影もないくらい年を取っているように見える人もいます。

そして、外見だけでなく本人が自分で感じている年齢にも違いがあり、自分で感じている年齢は「主観年齢」と呼ばれています。

一般的に心身の健康を保ち続けている人であれば、実年齢より若く感じることが多いようですし、病気がちな人やストレスを多く抱える人は、年齢を高く感じてしまうことが多いようです。

また、主観年齢は高齢者のアウトカム変動に関連づけられていて、年齢を重ねることについての指標のひとつであるとされています。

アウトカムとは、「結果・成果」という意味ですが、ここでは、色々な検査の結果や病気の発生率、さらに高齢者のQOL(生活の質)の改善度等も含まれるようです。

 

主観年齢が高い人は認知症を発症する可能性が高い

『Journals of Gerontology(Gerontology:老年学)』誌の2016年7月19日号に、モンペリエ大学(フランス)のステファン氏らが発表した、主観年齢と認知機能や認知症のなりやすさについての研究結果が、掲載されました。

この研究では高齢者5748名が対象とされ、いずれも実年齢は65歳以上でした。

まず、高齢者それぞれの主観年齢、運動量、抑うつ症状、認知機能についての調査を行い、そのうち認知機能については、2~4年の期間中、経過観察を行いました。

経過観察の間に、高齢者の認知機能は3つのグループに分けて評価されました。 つまり、

  1. 認知機能は正常
  2. 認知症ではないが
  3. 認知機能障害あり
  4. 認知症になっている、

というグループです。 グループ2.とグループ3.により、主観年齢と認知機能障害や認知症との関連性が明らかになり、運動量と抑うつ症状も認知症と多少の関連性が見られたとのことです。

つまり、主観年齢が高い人は認知機能障害や認知症を発症する可能性が高くなり、運動不足の人や抑うつ症状がある人も、認知機能障害や認知症を発症する可能性が多少は出てくるということです。

ステファン氏らは、主観年齢が高いことがわかった段階で、認知症を予防するための色々な方法を採り入れることで、認知症の発症リスクを抑えることも可能ではないかと報告しています。

 

 

幸福感や満足感を持てる人は認知機能への影響が少ない

主観年齢に関する研究例として、もうひとつご紹介しておきましょう。 2011年12月に『Psychology and Aging』誌に発表されたもので、アメリカのスティーブン氏らが行ったものです。

高齢者に限らず40歳以上の1170人を対象に、主観年齢と年を取ることについての考え方、幸福度について調査したとのことです。

対象者に対して主観年齢が実年齢より高いか低いか、あるいは同じかを調査し、健康状態や生活環境、日頃抱いている感情、人生の満足度を10年間にわたって調査したそうです。

その結果、主観年齢が高くて年を取ることに否定的な人は、幸福感が少なく人生に満足できていないことがわかったそうです。 このような人は生きる意欲も低下し、以下の状態が見られたとのことです。

  • 認知機能や運動能力の低下
  • 心臓・血管へのダメージの増加
  • 死亡率の上昇

逆に、主観年齢が高くても年を取ることに肯定的である人には、そのような傾向はなかったそうです。

幸福感や満足感を持てる人はストレスが少なく、認知機能をはじめ体への影響も少ないようです。

主観年齢を数字で正確に測ることは難しいのですが、ただ本人が感じているだけのものではなく、認知症になりやすいかどうかの重要な指標であると言えそうです。

 

老性自覚する高齢者ほど精神的健康度や活動力が低下?

主観年齢が高いということは、実年齢より老化していると自分で感じることですが、主観年齢の高さと関連がありそうな「老性自覚」について見てみてましょう。

老性自覚とは、老化したことを自分で認知するという意味です。 自分の健康に問題があると感じたり、歩くのを負担に感じるなどの機能低下に気づいたりすると、老性自覚することが多いようです。

高齢者の心理や加齢の研究を専門とする水上貴美子氏(仁愛大学)らの調査研究では、老性自覚と精神的な健康度の関連性が高いことが報告されています。

自ら老化を自覚している高齢者ほど、精神的な健康度や活動する力に低下が見られ、見た目にも自分は老化していると感じるようですが、主観年齢も当然高くなっていると考えてもよいでしょう。

日頃、趣味や娯楽、地域での活動等に意欲的に取り組んでいる高齢者は、老性自覚していないことが多いということではないでしょうか。

逆に、病気がちで治療を受けたり心配事が多くストレスを抱えたりしている人は、老性自覚して主観年齢も高くなると考えられそうです。

病気やストレスには、生活習慣が大きく関係している場合も少なくありません。

やはり、このサイトでも触れている「認知症になりやすい要因」そのものが主観年齢の高さにつながっていると言えそうです。

 

 

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