介護予防サービスとは
介護予防サービスとは
介護予防サービスとは、どんなサービスなのでしょう。サービスの種類別に見ていきましょう。
介護予防サービスの目的
介護予防サービスは、要支援1または2の認定を受けている人が、要介護の状態になるのを防ぐことを目的としたサービスです。
要介護1の人でも、介護予防サービスにより改善や悪化防止が見込める場合は対象となります。
要介護の状態になることを完全に予防するのは簡単ではありませんが、要介護の状態になるのを少しでも遅らせて、少しでも自分でできることを増やして自立を維持することなら、可能であると考えられます。
介護予防サービスでは、栄養面(食生活を見直して改善する)、運動機能面(体操やリハビリテーション等を行う)、口腔機能面(食べる、言葉を発する、表情を豊かにする等)を向上させたり悪化を防ぐケアが中心に行われています。
このようなサービスを受けるためには、地域包括支援センター等で介護予防サービス計画(ケアプラン)を作成してもらうことになりますが、まず、要支援(場合により、要介護)の認定を受けておく必要があります。
介護予防サービスの種類と特徴
介護予防サービスは、以下の3つの種類に分かれていますので、それぞれの特徴について見ていきましょう。
- 居宅での生活支援を中心に行う介護予防サービス
- 地域密着型介護予防サービス
- 地域支援型の介護予防サービス
1.居宅での生活支援を中心に行う介護予防サービス
- 訪問サービス
- 介護予防訪問介護
- 居宅にヘルパーが訪問して、家事の援助や入浴、排泄等の介助を行います。
- 介護予防訪問入浴介護
- 移動入浴車や介護用のバスタブ等を使用し、介助を受けながら自宅で入浴できるサービスです。
- 介護予防訪問リハビリテーション
- 理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が居宅を訪問して、リハビリテーションを行います。加齢とともに問題が出てくる運動機能の低下を予防し、現状維持することを目的とします。
- 介護予防訪問看護
- 点滴や注射等の医療行為が必要な人が対象となります。自宅にいながらにして、医療行為が受けられるサービスです。
- 介護予防居宅療養管理指導
- 医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士等が訪問して、療養する上で必要な薬や食事、歯や口の中の管理や指導を行います。
- 日帰り施設利用サービス
- 介護予防通所介護(デイサービス)
- デイサービスセンター等へ通って、食事や入浴のサービスを受けたりレクリエーションを楽しんだりすることにより、生活機能を維持します。
- 介護予防通所リハビリテーション(デイケア)
- 医師の指導を受けてリハビリテーションを受けるサービスです。食事や入浴のサービスもあります。
- 短期間の施設入所サービス
- 介護予防短期入所生活介護
- 施設に長期に入所するのではなく、ごく限られた短い期間のみ施設で過ごします。短期入所またはショートステイと呼ばれるサービスです。食事や入浴の他、生活機能を維持し向上させる機能訓練を受けることができます。
- 介護予防短期入所療養介護
- 施設に短期間だけ入所して、医師の指導によるリハビリテーション等、デイケアと同様のサービスを受けます。
- 特定施設で利用するサービス
- 介護予防特定施設入居者生活介護
- 有料老人ホーム等に入居している高齢者が対象となります。日常生活を介助し、要介護の状態を予防します。
- 生活環境を整えて暮らしやすくするサービス
- 介護予防福祉用具貸与
- 介護予防のための福祉用具(車椅子や付属品、歩行器、杖等)を貸与するサービスです。
- 特定介護予防福祉用具販売
- 貸与するよりも販売する方が適当と思われる、腰掛便座や入浴用の椅子等の販売をします。
- 住宅の改修
- 屋内の段差を改修したり、手すりを取り付けたり、開閉する扉を引き戸に取り換えたりする費用が、一定額まで支給されます。
2.地域密着型介護予防サービス
サービスの種類や内容は自治体(市区町村)により異なり、このサービスを実施していない自治体もあります。
高齢者が住み慣れた地域で自立して生活し続けられるよう支援するサービスで、それぞれの地域で暮らす住民だけを対象とします。
大きく分けると、「介護予防小規模多機能型居宅介護」と「介護予防認知症対応型サービス」があり、いずれも、日常生活を送る上で必要な食事・入浴・排泄の介助や、リハビリテーション、健康管理の助言等を受けることができます。
- 訪問サービス
- 介護予防小規模多機能型居宅介護
- 日帰りの通所サービスが中心になりますが、状況により、訪問サービスや短期入所も取り入れながら利用できます。
- 介護予防認知症対応型サービス
- 通所介護
- 軽度の認知症の人がデイサービスセンター等へ通所して、サービスを受けます。
- 共同生活介護
- 少人数(概ね9人以内)での共同生活の中で、サービスを受けます。要支援2の人が対象です。
3.地域支援型の介護予防サービス
65歳以上の高齢者のうち、要介護または要支援の認定を受けていない人が対象です。対象者は2つに分類され、それぞれ異なるサービスがあります。
- 訪問サービス
- 介護予防特定高齢者施策
- 現在は要介護や要支援の認定を受けていなくても、今後は認定を受ける可能性が高い人を「特定高齢者」としてサービスの対象とします。通所サービスと訪問サービスがあります。
- 介護予防一般高齢者施策
- 65歳以上のすべての高齢者を対象に、健康や認知症予防、食生活に関する勉強会や講演会、趣味の教室等を開催するものです。
介護予防を広く啓発し、地域で自立して生活できることを推進していきます。
- 65歳以上のすべての高齢者を対象に、健康や認知症予防、食生活に関する勉強会や講演会、趣味の教室等を開催するものです。