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症例3[失語]

症例3[失語]

症例3:失語

症例

失語の症例として、以下のケースを紹介します。

(ここから「よくわかる認知症ケア 介護が楽になる知恵と工夫」杉山孝博氏著 より 抜粋して引用)

母が亡くなってからも、父のSさん(80歳)は、やもめ暮らしをしていました。この年代の男性としてはめずらしく、家事をするのをいといませんでした。

娘のKさん(46歳)の提案で、同居をはじめたのは7年前。Sさんは、「オレも家のことを手伝う」とはりきっていました。しかし、そのころからSさんには、もの忘れが目立つようになりました。認知症でした。

Kさんは、自分が無理に呼び寄せたせいかと後悔しましたが、いっしょに住んでいるからこそ、老人ホームなど探さず、家で介護ができると思いなおしました。

Sさんの認知症は、少しずつ進んでいきました。足腰が弱り、デイケアでも、ほとんどはソファにすわっているとスタッフから聞きました。それでも比較的おだやかな様子でいてくれるのがKさんには救いでした。

ところが、ここ数週間で、父は急に会話がうまくできなくなりました。名前などが思い出せず、「あれ、それ」が多くなっていたのですが、いまや「トマト 郵便局 するように」といった調子で、いくつかの単語を並べるだけ。やりとりができないのです。

>(ここまで「よくわかる認知症ケア 介護が楽になる知恵と工夫」杉山孝博氏著 より 抜粋して引用)

原因

認知症になると、脳の中の言葉を支配する部分が障害されて言葉が失われていく、失語の症状が出てきます。これは認知症の初期から現れることが多い、中核症状です。会話の中で、「あれ」「それ」という代名詞を使うことが多くなり、言いたいことがうまく言葉にできないという症状から始まることが多いようです。そのため、人と話すのが億劫になってしまい、話す機会が減ることで、ますます認知症が進行してしまうこともあるようです。

家族の方も、何を言いたいのか理解できなくなって、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。言葉を発することだけでなく、相手の話を理解したり文章を読んだり書いたりすることもできなくなって、笑ったり怒ったりする動作だけを示すようになったりもします。

対応

家族の対応としては、以下のようなことが考えられます。

話すことが困難になると、どうしても不安や孤立感が強くなります。うまく気持ちを伝えられないもどかしさで、怒りっぽくなることもあるかもしれません。認知症の人が言葉がうまく使えなくなっても、表情やしぐさを見て気持ちを理解してあげることが、ある程度は可能なようです。

介護する人は、ゆっくりわかりやすい言葉をかけてあげることはもちろん、身振り手振りで理解させてあげることも必要です。目と目を合わせて表情をしっかり読み取って、時には手を握ったり背中をさすったりして、安心感が持てるようにするといいようです。

認知症の人は、介護する人の働きかけにすぐに反応できない場合も多いので、時間はかかるかもしれませんが、根気よく繰り返してコミュニケーションをとることが大切です。

 

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