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認知症の段階(アルツハイマー型)

認知症の段階(アルツハイマー型)

認知症の半数以上を占めるといわれるアルツハイマー型認知症の場合を中心に、認知症(旧痴呆症)の進行段階について紹介します。

アルツハイマー病では、脳が損傷を受けて脳細胞が死滅していくため、いろいろな機能が失われていきます。脳は知的な機能はもちろん、身体的な機能もつかさどっているので、身体的な機能の一部も失われてしまいます。

全ての人に同様の症状が現れるとは限りませんが、各進行段階で現れる主な症状を挙げておきます。

※下記の例は、個人や環境によって差があり、また様々な段階の症状が混在して現れることもあるため、あくまでも参考としてご覧下さい。症状の進行は本人の状態を見て推測し、できるだけ専門医の診察を受けて下さい。

初期

老化のために起きている症状なのか認知症の症状なのか、区別が難しい時期です(老化と認知症の違い)。

物忘れの進行は非常にゆっくりで、最初の頃は自分で気づいていても、だんだんわからなくなっていきます。

  • 物忘れをするので探し物をすることが多くなり、「誰かに盗られた」と言って騒いだりすることもあります(物盗られ妄想)。
  • 食事をしたことを忘れることもあり、「過食」をすることがあります。
  • 入浴や洗顔、着替えを嫌がったり、薬を飲むことを拒否することがあります。
  • 介護に抵抗したりするようになることもあります。
  • 意欲が低下して元気のない状態になり、うつ病と似た状態(抑うつ)になることもあります。
  • 物事への関心が薄れたり、趣味でやっていたことをやらなくなることもあります。
  • 料理の味付けがおかしくなることがあります。
  • 人格が変化する場合もあるようです(性格変化、人格変化)。もとの性格とは反対の性格になる場合と、もともとの性格がいっそうはっきりしてくる場合があるようです。

この時期は、生活環境に変化さえなければ、それほど大きな支障もなく日常生活が送れる時期と言われています。2~3年から5~6年続くことが多いとされていますが、もっと長い時間をかけて経過することもあります。

しかし、「支障もなく日常生活が送れる」と言われても、周囲の家族に対する影響は少なくないと思います。果たして認知症の症状なのか本人の性格が色濃く出ているのか、その両方なのか、わからない場面が多く、戸惑うこともあるかもしれません。

家族が本人のためにしてあげていることでも、本人から迷惑がられたり、さらにいわれのないことで責められたりして、悲しみや怒りを感じることもあるかもしれません。

初期段階とはいえ、精神的な面を含めてできるだけケアマネージャーや周囲の人に困っていること、辛いことを打ち明けて、助けを求めるべきだと、筆者は考えます。

 

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中期

問題となる症状が多くなる混乱期です。

  • 年月日や時刻、場所、季節などがわからなくなる症状が出て来るころと言われています(見当識障害)。
  • 少し前のことがわからなくなり、現在と過去の区別もつかないことがありますが、古い記憶はあまり失われていないことが多いようです。
  • 徘徊の症状が出てくると、目が離せなくなります。慣れた道でも迷子になることがあり、「家に帰る」などと言ってどこかへ行こうとすることもあります(徘徊)。ただし、ひとことで「徘徊」といっても、本人には「家に帰る」「仕事に行く」などの目的がある場合があるようです。家族が一緒になって家の近くをぐるっとまわって帰ってくる行動は、帰ってきたときにはそのことを忘れていることもあるので、有効な対処法とも言われています。
  • 身の回りのことができなくなり、生活に支障が出てくるようです。自分で服を着たり入浴したり、電気製品を使ったり家事をしたりすることも困難になってくることがあります。
  • 家計を管理することができず、同じ物を大量に買い込んだり、お金を多額に引き出してしまったりすることがあるようです。
  • 失禁したりトイレ以外の場所で排泄したりすることがあります(失禁)。
  • 実際にはないものが見える「幻覚」や、暴言・暴力、不安が強くなるなどの症状も現れるようです。性的な問題行動が現れることがあります(幻覚暴言・暴力不安が強くなる性的な問題行動)。

この時期は2~3年続くことが多いようですが、介護の負担が大きくなってくる時期です。

 

後期・末期、最期

脳細胞がさらに死滅するので、脳の萎縮が進行します。

  • 言葉や数がわからなくなり、まわりの人と会話ができなくなる場合があります。
  • 異食(食べ物ではない物を食べること)や弄便(排便の失敗で、手や衣類、トイレなどを汚すこと)の症状が現れることもあります(異食弄便)。
  • 脳の萎縮により運動機能も低下し、歩くことや、立ったり座ったりすることもできなくなって、最終的には寝たきりになるようです。
  • 寝たきりになると、全身状態は低下していきます。免疫機能も低下し、感染症(細菌やウイルスに感染して起きる病気)にかかりやすくなります。
  • 自分で口を開けて食べようとしなくなり、水や食べ物を飲みこむ嚥下(えんげ)機能も損なわれ、栄養状態が悪くなります。そのため、経管栄養法(鼻から胃にチューブを通したり、胃に直接チューブをつけたりして流動食で栄養補給すること)という方法を取ることもありますが、誤嚥性(ごえんせい)肺炎(食べ物や異物が誤って気管内に入ってしまうことが原因で起きる肺炎)を起こす危険性が高くなり、死に至る場合も少なくないようです。

アルツハイマー病を発病した場合、平均して8年から10数年で死亡するとされていますが、経過も含めて個人差が大きいと言えます。

 

 

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