認知症の周辺症状4(性的行動/睡眠障害/譫妄/収集)
認知症の周辺症状4(性的行動/睡眠障害/譫妄/収集)
性的な問題行動
異性の介護者の体に触ったり、裸になったり、性器を露出したり、介護者に性器を触るよう求めたりする性的な行動が現れることがあります。性的な言葉を口にしたりする場合もあるようです。
認知症になったからといって性的欲求がなくなるわけではありませんし、性的欲求を持つのは良くないということでもありません。しかし、性的欲求の表現が適切でなかったり、対象とする相手を間違ったりすると、まわりの人は驚き、戸惑ってしまいます。
性的な問題行動に見えても、失禁して気持ちが悪いため着替えようとして裸になるなど、性的な意味合いがない場合もあるようです。男性の場合は、自分自身の妻と、息子の妻やヘルパーの女性が区別できなくなっていることがよくあるようです。
睡眠障害
認知症の人に限らず、高齢になると睡眠の取り方が変化します。夜間の眠りが浅く、眠っている途中で何度も目が覚めるようになることもあります。
認知症の人に多いのは、「概日(がいじつ)リズムの乱れ」です。概日リズムとは、人間が持っている、24時間ごとの体内の時計のようなものです。この体内時計が乱れると、昼間は眠くてうとうとしていて、夜になると眠れなくなる状態になってしまいます。
見当識障害により時間がわからなくなってしまうと、この状態に陥りやすいとも言われています。この結果、家族と生活のリズムがずれてしまうことが多いようです。
譫妄(せんもう)
譫妄とは、意識障害のひとつです。通常、意識障害というと眠っているような昏睡状態を想像するかもしれませんが、譫妄の場合は、幻覚が生じたり興奮状態になったりします。時間や場所もわからなくなることがあります。
譫妄は夜間に起こることが多く、その場合は「夜間譫妄」といいます。夜間譫妄の場合、日中は眠っていて夜間は眠れなくなり、急に興奮して動き回ったり、話をしても通じなかったり、幻覚や妄想も現れたりします。幻覚が生じると、部屋の中に誰かがいて自分を見ているなどと言ったりして、興奮状態になることもあるようです。
収集癖
他の人から見るとゴミやがらくたのような物を拾い集めて、大事にしまい込んでいることがあります。病院や施設などでは、紙類(トイレットペーパーやペーパータオル等)を集める人が多いということです。ゴミなどを捨てる場所がわからないため、タンスの中にしまっておいたりすることもあるようです。
しかし、意味のない行動のように見えても、本人にはそれなりの意味があると言われています。