混合型認知症
混合型認知症
混合型認知症と呼ばれる認知症の分類があるようですが、これを見ていってみましょう。
アルツハイマー型と脳血管性認知症を併発する状態
認知症の中でも一番多い症状となっているのがアルツハイマー型であると言われていますが、このアルツハイマー型に加え別の認知症のタイプである脳血管性認知症を併発してしまうと、混合型認知症に分類されます。
この両者は特に高齢者に多く見られる代表的な認知症となっているため、実に症例のうちの70%を超える割合をこの両者が占めていると言われていますが、混合型認知症の割合は15%と言われています。
遺伝的な要因と脳の血管にまつわる病気の併発
アルツハイマー型の直接的な原因としては、細胞の死を招く性質を持つタンパク質が脳に沈着そして蓄積し続けることによって徐々に脳が萎縮し脳の機能が低下してしまい、最終的に脳の部分的な機能が完全に活動を停止してしまうものです。
遺伝的な要因もあると言われているため、家族もしくは親族に罹患者がいた場合には、潜在的にアルツハイマー型を発症してしまう可能性を秘めている場合があるということなります。
脳梗塞や脳卒中といった脳の血管にまつわる病気によって脳にダメージが入ると、それに付随し脳血管性認知症を発症してしまうことがありますが、この前後にアルツハイマー型を発症してしまった場合に混合型認知症と初めて分類されることになります。
両者の併発により脳機能が一気に低下してしまうこともあるため、症状としては認知症であることがわかりやすいとは言えるようです。
追記:
脳に存在するたんぱく質の一種「BDNF」を増やせば、海馬の肥大を促し、物忘れや認知症を予防できる可能性があるようです。詳しくは「体と頭を同時に使う認知症予防法(BDNFを増やす)」をご覧下さい。
診断や治療が遅れてしまいがち
しかしもし脳血管性認知症が先に発症してしまったケースの場合は、検査などによってどういった認知症であるかの判断が難しくなるため、その分診断に時間がかかってしまい、治療が遅れてしまうことも少なくないようです。
なぜ順序によって診断が変わってくるのかというと、脳血管性認知症の進行の特徴によって左右される面があり、脳のダメージを受けた箇所や度合いによってその進行具合も変化してしまうためです。
認知症は根治ができないため、早期発見によってその進行の度合いを遅らせることが重要と言われていて、診断や治療が遅れてしまうとその時間だけ脳の機能の低下を招くことになります。ですので、その判断には医師の技量も関わってくることになりますが、迅速かつ正確な診断によって混合型認知症を発症してしまった方の先行きは変わってくると言えるでしょう。
混合型認知症の治療においては、注意が必要なようです。というのも、アルツハイマー型認知症の場合と脳血管性認知症の場合とでは投与する薬が違ってくるので、医師が「混合型認知症」と認識できていないまま投薬すると、無意味な投薬になったり、症状を進行させてしまったりする場合があるようです。こうしたときに、家族が疑問に思ったらセカンドオピニオンを受けてみたり医師を変えるなどの対処が必要なようです。