フリフリグーパー(フリフリグッパー)体操
フリフリグーパー(フリフリグッパー)体操
テレビ東京『主治医が見つかる診療所』で、「無理なく」「楽しく」続ける認知症予防というものが紹介されました。筑波大学で運動生化学を研究する征矢英昭氏が生み出した「フリフリグーパー(フリフリグッパー)体操」です。病院や地域の運動教室などでも広がりつつあるという、「フリフリグッパー体操」についてご紹介します。
誰でも簡単にできる「フリフリグッパー体操」
フリフリグッパー体操
フリフリグッパー体操の基本の動きは3つです。
- カカトを軽く上げて足踏み
- 左右への腰振り
- 腕を左右に大きく動かし胸の前で手を叩く
とてもシンプルなこの動作を、好きな音楽に合わせて行います。より詳しい動作は次の通りです。
- 足を肩幅に広げる
足先を少し内側に入れて「ハの字」のようにすると、腰を振りやすくなります。 - 交互に足踏みをするように、つま先を地面につけたまま、かかとを上げ下げする
ダンスのステップのようなイメージです。 - 腰を左右に振る
お尻を左右に突き出すようにして、リズムに合わせて振ります。頭をできるだけ動かさず、呼吸はゆったり吸ってゆったり吐くようにしましょう。 - 腕の左右開閉運動をしながら、手を握る・叩くを繰り返す
脇をしめて、腕を広げて手は「グー」の形、胸の前で「パー」にして叩きましょう。 - 2~4までの動作を同時に繰り返す
腰フリとグーパーを同時に、音楽に合わせて3分間行います。歌を歌いながら行うと、さらに脳が活性化されます。
「フリフリグッパー体操」を行う時の注意点
- 頭はてっぺんを糸でつるされたようなイメージで、なるべく動かないようにしましょう。
- 1日何回行ってもよいですが、1回につき3分間は続けましょう。
- 心拍数は、安静時の1.4倍程度に上げることが目安です。特に高齢者の方は、激しく運動をしすぎるとかえって脳に逆効果を与えることがあるので気をつけましょう。
「フリフリグッパー体操」の効果
考案者の征矢教授の実験によると、フリフリグッパー体操が脳や体にさまざまな影響をあたえていることがわかりました。
足踏みや腰フリという動作が歩行に必要な筋力アップにつながり、左右均等な運動によって体のバランス調整力が高まり、転倒予防の効果があるようです。
また、腰回り・お腹・お尻・背中などの普段あまり動かさない筋肉が動いて活性化して、姿勢が良くなります。姿勢を正しくすると、それを調節している脳幹が刺激されてドーパミンなどの神経伝達物質が分泌されます。その働きによって、脳全体が活性化するそうです。
「フリフリグッパー体操」が認知症の予防に
さらに、低下した認知機能を補う効果もあるようで、認知症の予防につながると期待されています。
認知症予防対策「利根プロジェクト」によると、フリフリグッパー体操を定期的に3年間続けたグループは、参加者の7割以上の短期記憶力が向上してことが確認されました。「利根プロジェクト」は、厚生労働省が認知症対策のために立ち上げたプロジェクトです。筑波大学の朝田隆教授主導のもと、2001年から5年間行われました。
対象は茨城県北相馬郡利根町に住む65歳以上の男女約2,000人でした。「栄養」「睡眠」「運動」の3つの面で改善指導し、認知症の発症とどのように関係するかを調査したものです。この「運動」に取り入れられたのが、フリフリグッパー体操でした。
最近では、病院や介護施設での運動教室などに取り入れられているようです。簡単に始めることができ、好きな音楽でできるので、自宅でも気軽にできるのではないでしょうか。