要介護度認定の基準は、担当者や自治体によって判断が違う?
要介護度認定の基準は、担当者や自治体によって判断が違う?
要支援・要介護度認定とは
介護が必要になったとき、介護保険の適用でサービスを受けることができますが、要支援・要介護度のランクに沿ったサービスを受けるために本人と家族に対して行う調査員による聞き取りを審査し判定するシステムを要支援、要介護度認定といいます。
要支援・要介護度認定、自治体によって違うのは
要介護度認定・要支援の結果に対して納得がいかない、そもそも認定の仕方に納得がいかない、というケースが全国で依然として多いようです。
理由としては
- 調査員の調査の仕方の基準があいまい
- 主治医の正しく現状を記されていない診断書によるもの
- 要支援、要介護度認定審査会の審査の不十分さ
が考えられます。
そのなかで明らかに地方自治体によって違う、もしくはあいまいなのは、調査員の調査の仕方の基準です。
調査員とは
調査員というのは非常勤がほとんどのようですが、雇用条件は自治体によって違うようです。調査員の仕事は、自治体によって若干違う場合もありますが、ほぼ調査票を作成することのようです。
介護業界であるにもかかわらず、利用者との密接なかかわりがなく、また要介護度認定・要支援認定の結果により利用者の生活が変わる可能性があるにもかかわらず、責任の重さが問われることはあまりないようです。
調査が公正に行われるために、調査員が調査を厳しくすることも問題ないとされているようですので、財源の厳しい自治体によっては、基準を厳しく解釈している可能性があり、自治体の負担を少しでも軽くするために、調査員も厳しく調査することが考えらるようです。
要介護認定の結果に納得がいかない時
要介護認定の結果に納得がいかない時には、まず市町村の窓口に行き、要介護認定、要支援の結果のもととなった理由をあいまいにせず確かめることが重要なようです。
認定結果通知書には結果だけが書かれていますが、情報開示を請求し、調査項目、その点数、特記事項について、ケアマネージャーさんに結果が違うと感じたことの意見を求め、日々家族がどれだけのサポートをして生活しているか、再認定の際に言えるようにしておきましょう。
利用するサービスによっては要介護度数が上がり、自己負担額が増えるケースもありますが、調査員は自己負担額の考慮はしてくれませんので、ご自身で調べておきましょう。例えば、デイサービスや通所リハビリだけの利用は度数が上がると、その分自己負担額が増えます。
利用料金の上限まで余裕がある場合は、介護の度数が低い方が利用料が安くなります。設定されている支給限度額が度数によって上がるのと同様に、自己負担額も上がるということです。
介護の標準化から一人ひとりのニーズと状態に合わせたケアへ
どの利用者にも同じ質問で機械的に判断するのではなく、程度によって区分化するシステムから、専門職が利用するそれぞれの利用者のニーズあった査定を協議して判定するといった、協議調整モデルへのシフト化が望まれるところではないでしょうか。
同じく公的財源をつぎこんでいるシステムでも、コンピューター判定システムでなく、専門職による査定を行っているオランダやフィンランドといった他国の手本もあるのです。