認知症かどうかの見極め方
認知症かどうかの見極め方
認知症を「治す」ための治療法(薬物療法)に、「コウノメソッド」があります。すでに多くの認知症の人やその家族がこの療法に救われているようです。河野先生の書籍の内容などを元に、その要点を紹介します。
認知症かどうかの見極め方
当サイトの「早期発見のメリット」でも触れていますが、河野先生は、認知症の早期発見・早期治療の重要性を説いています。認知症は、早く見つければそれだけ早く良く治るのだと言います。
人は40歳過ぎから少しずつ記憶力が低下すると言われていますが、物忘れなどが、単なる年齢のせいではなく認知症のせいかどうかということを、見極める必要があります。
物忘れが出ても、人は他の能力で補おうとします。つまり、記憶力が低下しても、知識力や判断力で補うことで、日常生活に困ることがありません。しかし認知症の場合には、知識や判断力も合わせて低下してくることから、生活に支障が出てくるものです。(参考:見当識障害/理解力・判断力障害/性格変化)
当サイトの「老化と認知症の違い」や「記憶障害」でも触れていますが、河野先生も、認知症の記憶力の低下として「全体記憶の障害」を挙げています。例えば、その日の食事の内容のうち一部を忘れること(部分記憶の障害)は健常者でもありますが、認知症では「食事したこと自体を忘れてしまう」ことがあります。
河野先生による、認知症の各症状・特徴
「本当に認知症かどうかを見極めるには、「物忘れ」以外の要素に注目する必要がある。「物忘れ」以外に以下の症状があれば、認知症が疑われる。」と河野先生は言います。
●アルツハイマーの型認知の症状・特徴
- 【症状】
-
- 記憶力が低下する(初期の頃は年齢のせいと思われる)。
- よく動く、落ち着きがない。
- 足が達者でしっかり歩くが、道に迷うことがある。
- 日中に徘徊する。
- 質問するとすぐ答えるが、でたらめな内容である。
- 【特徴】
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- 女性に多く、潜伏期間が長い(10~20年など)。
- おしゃべりで元気なのが特徴の認知症。いわゆる元気ボケと言われる。
●レビー小体型認知症の症状・特徴
- 【症状】
-
- 幻視がある(実際には無いものが見える幻覚がある)。
- 上半身がやや前に傾き、左右に傾いていることもある。
- 両腕が固まっていて、体の横より前に位置している。
- 肘の関節が硬くなっていて曲がっている。
- 腕を振らずに歩き、ゆっくりとすり足で歩く。
- 手の指を握っていることが多い。
- 無表情で元気がない。
- 話している相手を見ないことがある。
- すぐに寝てしまう(診察中にも寝ることがある)。
- 夜、寝言で叫ぶ。
- 食後に長く座っていると、5分ほどで意識を失うことがある。
- 寝ているかと思うと、突然歩き出す。
- (改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)などの)知能テストが、認知症と思えないほど高得点である。
- 【特徴】
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- 薬剤過敏性(薬が効きすぎる性質)がある。
- 75歳前後の痩せた男性に多く見られる。
- 幻視と体が傾いていることが特徴的。
●混合型認知症の症状・特徴
- 【症状】
-
- アルツハイマー型と脳血管性認知症の両方を併せ持つ(画像診断では脳血管性認知症のようで、症状はアルツハイマー型のような場合が多い)。
- 【特徴】
-
- 診断が難しい。症状はアルツハイマー型のようなことが多い。
- 医師から脳血管性認知症と診断されていて、進行が早い男性に多い。
●脳血管性認知症の症状・特徴
- 【症状】
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- 怒りっぽい。
- 尿失禁がひどい。
- すぐに箸を落としたりと、握力が落ちている。
- 足を引きずっている。
- ろれつが回らない。
- 夜騒ぐ(夜間譫妄)。
- 【特徴】
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- (泣く、怒るなどの)感情失禁がある。
- 高血圧を持つ60~70代の男性に多い。
- 病識(自分がおかしいことへの認識)は残っている。
●ピック病の症状・特徴
- 【症状】
- 【特徴】
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- 万引きなど、社会的に問題のある行動をする。
- 「風変わりな人」と思われる。
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不安な方は、すぐに信頼できる医師に相談しましょう。どうやって医師を選んだらよいかわからない人は、以下の「コウノメソッド実践医」から選ぶとよいようです。