認知症になりやすい生き方
認知症になりやすい生き方
認知症になりやすい「生き方」の傾向はあるのでしょうか。フレディ松川先生の病院では、以下のような傾向があると言います。(フレディ松川先生の研究・書籍を参考にしています)。
※該当するタイプの人が必ず認知症になるということではありませんので、誤解なきようお願いします。一般的な予防の参考としてお読み下さい。
相手まかせ、人まかせの人
親子夫婦、様々な場合に当てはまるかもませんが、相手に対する依存度が高い人が認知症になりやすいといえるようです。
例えば、これは世代によってかなり違うかもしれませんが、高度経済成長期を生き抜いてきた世代で、夫がいるときには「お父さん、お父さん」といって、何をするにも決めるにも、自分で考えようとせずに「相手まかせ」「人まかせ」になってしまう妻がいたとします。夫が家の主役であり、夫に物事の意思や決定を任せている、という状態です。
夫に対する依存心が高い妻というわけですが、これは認知症になる傾向が高いようです。
同じように、妻に対する依存心が高い夫もまた然り、ということでしょう。
発展しようとしない人
「認知症になりやすい職業(学校の教師、職種別)」でも触れていますが、例えば、多くの業績を残して成功を収めた著名な学者でも、認知症になる人はなるようです。
いくらその世界で名を残した人であっても、後年その権威の中にどっぷりと浸かって新しい研究をするという「意欲」を持たない、他の学者の新説に対して論駁(ろんばく)する気力もない、そうなってしまうと、もはやそれ以上の発展性がもてなくなり、それまでいかに頭を使って生きてきたとしても、やがては認知症になってしまう可能性が高いといいます。
つまり、輝かしい過去の栄光、実績、肩書きがあろうが、それにあぐらをかいて何もしなくなるのではなく、より発展しよう、より高めていこうと、前向きに生き生きと生きていくことが大事だとれるのではないでしょうか。
結局は、それまでの経緯や今の環境とは別な、現在の本人の考え方・生き方に左右されるように思います。
変化を求めず、変わらぬ環境で生きてきた人
サラリーマンの世界を見てみるとどうでしょう。
終身雇用制が通用した昔は、サラリーマンは「安定・堅実」といったイメージがあったかもしれませんが、昨今では決して平坦な道はなく、いつ会社が傾くか、いつリストラされるかという不安の中で、戦々恐々として日々仕事している人も多いのではないでしょうか。
これでは、心理的には不安定な状態の自営業者とあまり変わらない部分もあるかもしれません。
しかしむしろこの不安定な状況は、「認知症になりにくい」といえるようです。なぜならば、日々生きるために必死になり、意欲を持って工夫して生き延びなければならないからです。
しかし、会社によって、職種によって、また時代によっては、ずいぶん環境が違うかもしれませんが、不条理な上司のいいつけを我慢して守り、変化を好まず、「真面目に、勤勉に、遅れず、休まず」そしてある意味「働かず」という生き方をして、やがてつつがなく定年を迎えた人たちが認知症になった例が、とても多いといいます。
言い換えると、意欲を持たずに何事にも我慢して従ってきた人で、波乱万丈とは全く無縁な人生です。
こうした人が定年後に家庭に戻ると、妻子に「はい、ご苦労様」と粗大ごみ扱いされて、家庭の中で行き場を失っていくかもしれません。このような状態を長年許容して、やがて認知症へ進んでしまうのは想像に難くないと思います。フレディ松川先生の病院では、このような人生を送った人で、早い場合60代後半から認知症が始まっている人もいるといいます。
自分で認知症にならない防止策を
フレディ松川先生は、もしそのような状態の人がいたら、今すぐにでも自分で認知症にならないような防止策を講じてほしいと言っています。
当サイトが考えますに、必要なことはまず、どんな小さなことでも、自分が情熱を傾けられることを見つけたり、趣味に興じたり、あるいはこれまで接してこなかった人たちと交流してみたり、自分から外へ出て行こうとする意欲を持つことから始めるということではないか、と思います。