認知症初期の接し方1
認知症初期の接し方1
親が、夫が、妻が、兄弟が、認知症(旧痴呆症)になったら、家族はどう対応すればよいのでしょうか。現在世界で、認知症の治療薬や改善方法など、様々な様々な角度からの対策・試みがなされています。
ここでは、認知症になりかけ、あるいは認知症初期のころに望まれる家族の対応・接し方に、焦点をあててみます(フレディ松川先生の研究・書籍を参考にしています)。
初期の対応が肝心!
認知症初期の頃は、正常と症状の間のグレーゾーンを行ったり来たりしている状態であると言います。その認知症初期の頃に接し方を間違えると、認知症の進行を進めてしまうことがあるようです。
接し方に気をつければ、悪化を止める(遅らせる)こと、時には改善する可能性もあるようです。
まわりの家族としては、どんどん症状が進んでわけがわからなくなってくるのではなく、できれば、正常と症状の間を行ったり来たりしている状態で、最後までいって欲しいのです。なぜならばその方が、本人にとってはもちろんのこと、家族にとっても負担が減るからです。
まず専門医に診せる
できるだけ早く認知症の専門の医師の診察を受けてください。誰でもいいからとりあえず診せるのではなく、よく調べてよい先生を探すことが重要だと思われます。
ただし、日本ではまだ認知症の専門医、本当に信頼できる医師が少ないと言われています。認知症をよく理解しておらず、あるいは認知症の対応に慣れていない医師の場合、処方する薬の種類や量が適切でないことがあり、かえって症状を悪化させてしまうこともあるためです。
認知症に対してある程度の知識・経験があり、なおかつ家族と気持ちよく付き合っていける医師を探すことが重要です。わからない場合には、認知症の医師の選び方(コウノメソッド)を参考にしてください。
【家族の接し方】怒ったり、叱ってはいけない
認知症初期の頃は、本人が自分の異常を感じて、一番不安に襲われています。戸惑い、恐怖心を感じています。いわば、崖っぷちのギリギリのところを不安一杯で歩いている状態です。
認知症の人の気持ち
そんなときに一番してはいけないのは、心理的に本人を追い込んでしまうことです。
症状に気付いたとき、まわりの家族も、驚いたり恐怖を感じたり、あるいはまだ症状とわからずにイライラするかもしれません。しかしそんなとき、
「おじいちゃん、何やってるの?しっかりして下さい」
などと言ったとしたら、本人を一気に谷底に突き落とすことになります。
「ボケたんじゃないの?!本当にボケたら知らないからね!」
などと言ってしまったら、最悪です。
例えば失禁などしたときも、当の本人が一番ショックを受けている状態です。
そんなところへ「お漏らしなんかして、いったい何やっているの?!」と叱ろうものなら、混乱・恐怖・悔しさなどで、ますます症状は悪化していきます。
鬱状態になってしまうかもしれません。
そうではなく、例えば「実家の母もお漏らしするって心配していました。歳をとるとみんな同じなんですね」などと言ってあげれば、どれだけ安心するでしょうか。
そのことで、本人が安心して悪化を防げれば、周りの家族も結果的に助かるのです。