認知症初期の接し方3(まとめ)
認知症初期の接し方3(まとめ)
認知症初期の接し方をまとめてみましょう。
(フレディ松川先生の研究・書籍を参考にしています)
以下に書かれたことを実践するのは、介護する家族などにとっては精神的負担も大変大きいと思います。たとえ気をつけて接したとしても、介護者も人間ですから怒りや悲しみが湧いたり、感情が爆発することもあるでしょう。それは自然なことだと、筆者は思います。
家族・介護者は、精神的な面も含めて全てを抱え込みすぎずに、できるだけ周囲の助けを求めてください。ケアマネージャーがいれば率直に相談し、もしケアマネージャーが話を聞いてくれない場合には、地域包括支援センターなどに相談してください。
すべきでない考え方・対応
- 認知症の本人は、世間体の手前もあるのでなるべく外に出さない方が良いと思っている
- 専門医のいる病院で治療すれば認知症は治る可能性が高い、と思っている(認知症において優れた医師は少ないとされています。また医師にまかせっきりには問題があるようです)
- 認知症になった本人を叱っても、「どうせ忘れていくから傷つかないはずだ」と考えること
- 失禁するようになったらかなり認知症は進行している、という考え方
- 徘徊するようになったら、玄関に鍵をかけようと思っている
- 認知症本人の言うことは、まじめに考えるべきだと思っている(何もかも真に受けて振り回されないよう、注意すべきです)
理想の考え方・対応
- 認知症なのだから、カリカリしても仕方がない、鷹揚に構えたい、という考え方
- 落ち着いた態度で優しく接する
- 本人の話をよく聞く
- まず安心感や安定感を与え、心が落ち着いていれば、その人のできることを少しずつ増やしてあげる
(そうしていると、残っている能力が動き出し、再生力が発揮されて症状が止まったり、元に戻ることもある) - 認知症の本人にある程度ペースを合わせるのは仕方ないことだ、という考え方
注意すべきタイプの医師
認知症については、まだ医師全体に知識と経験が行き渡っているわけでなく、医師によって解釈・対応が違う場合もあり、信頼できる医師はなかなか見つからないかもしれません。
医師側から見ても、認知症は現在研究中の分野であって、日々の多忙な診察の中で、じっくり認知症を研究したり家族の悩みを聞く余裕もないかもしれません。
とはいっても、家族は本人と自分たちの事を守らなければなりません。
そこで、注意すべきタイプの医師の例を以下に記載します(フレディ松川先生の研究・書籍を参考にしています)。同様に、コウノメソッドの河野先生による「認知症の医師の選び方」もご覧ください。
今かかっている医師に不安を覚えたら、他の病院やクリニックなどを訪れることをお勧めします。大事なのは、本人とそれを支える家族なのです。
- 対応が雑であったり無愛想である医師
- こちらの話をしっかり聞こうとしない医師
- いきなりテストをしようとする医師
- とにかく薬を出そうとする医師
- 画像診断だけで結論を出そうとする医師
- 今後どうしたら良いか、具体的にアドバイスをくれない医師
また、「短時間の診断では、認知症と判断できない」場合があるようです。本人との世間話だけでは、本人がすらすらと問題なく会話のやり取りをしているように見える場合があります。しかしそれが事実とは違う作話だったり、架空の話だったりすることもあります。
一般的な会話では問題ないように見えても、例えば「認知症時計の絵描画テスト(CDT:clock drawing test)」などをすると、全く書けない、あるいは意味不明な絵になるなど、その時点でようやく状態がつかめる場合もあるのです。
いろいろなテストの中でようやく認知症ということがわかってくる場合があるので、画像診断だけや、ろくに観察もしないで診断する医師がいるとしたら、それは要注意です。