アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー病とは
アルツハイマー病は、1907年にドイツのアロイス・アルツハイマー博士によって報告された病気です。
日本人の認知症患者の半数以上はアルツハイマー病が原因と言われ、特徴ある症状として、激しい物忘れがあります。高齢になるほどかかりやすく、85歳以上で急増すると言われています。男性よりも女性に多い病気です。
アルツハイマー病は、脳にアミロイドβという特殊なタンパク質(異常物質)がたまって、老人斑(ろうじんはん)というシミができることから始まると言われています。これに加えて神経原繊維(しんけいげんせんい)変化という糸くず状の変化がそろうと、神経細胞が大量に消失して、病的な脳の萎縮が起こるのだといいます。側頭葉や頭頂葉の萎縮があると言われています。
これまでは、アミロイドβの蓄積がアルツハイマー病の直接の原因と考えられていましたが、現在では直接の原因ではないとされているようです。これは専門家の間では周知の事実のようですが、一般的にはそうではないようです。
さらにタウというタンパク質も神経細胞に蓄積し、神経細胞を破壊します。これらのことから、脳がやせて物忘れがひどくなると考えられています。記憶をつかさどる「海馬」は側頭葉にあります。
アルツハイマー病は、発症前の流れからみると3つの病期で進行すると考えられています。
- 症状が認められない早期あるいは発症前の段階
- 軽度認知障害(MCI)という中期の段階
- アルツハイマー病による認知症
アルツハイマー型認知症の症状
以下のような症状が目立つようです。
- 記憶力の低下(初期では、高齢による物忘れと思われがち)
- 判断能力の低下(例:料理の仕方がわからなくなる、服がちぐはぐになる、部屋が片付けられなくなる)
- 失認、失行など見当識の障害(例:日付、今いる場所、トイレの前に立ってもドアがわからなくる)
- 意欲、注意力が低下する
以下のような様子が見てとれるようです。
- よく動くが、落ち着きがない
- 元気があるように見え、足が達者でしっかりと歩くが、道に迷う
- 昼の間に徘徊する
- 質問を繰り返す
- 質問に対し答えるさい、でたらめな内容を即答する
- 感情や人格が変化する
アルツハイマー型認知症の特徴
- おしゃべりで元気な認知症、いわゆる「元気ボケ」とも言われる
- 女性に多く、潜伏期間が10~20年と長い
- 進行するまで目立たず、年単位でゆるやかに進行していく
脳に存在するたんぱく質の一種「BDNF」を増やせば、海馬の肥大を促し、物忘れや認知症を予防できる可能性があるようです。詳しくは「体と頭を同時に使う認知症予防法(BDNFを増やす)」をご覧下さい。