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ニゲラサチバ種子油のチモキノンが認知症対策に

ニゲラサチバ種子油のチモキノンが認知症対策に

2013年、東京工科大学の研究チームは、ニゲラサチバの種子油に含まれる「チモキノン」が、アミロイドβの神経毒性から脳細胞を保護する作用があることを発見しました。

アルツハイマー病の原因の1つに老人班があり、神経細胞への毒性を持つことが、アルツハイマー病を発症させる主な原因と考えられています。その神経毒性から脳細胞を保護する有効な候補としてチモキノンがあることを突き止めたのです。

アルツハイマー病は認知症の一種で、日本で最も多いタイプの認知症です。
つまり、このチモキノンの研究で認知症の予防に期待がかかっているのです。

ニゲラサチバとは?食べられるもの?飲めるもの?

学名ニゲラサチバ(Nigella sativa L.)。キンポウゲ科の一年生草。日本名「匂黒種草(においくろたねそう)」。花がきれいで園芸でも人気があります。原産地はエジプト。俗称ブラック・クミン(クロクミン)。

インドや中東地方では、ニゲラサチバの種子は健康食として食べられています。また、種子を擦ったり砕いたりしたものはスパイスとしても有名で、インド料理を始め西欧でも使われています。

ニゲラサチバの種子油を日常生活で摂取するには?

種子から絞った油は、「ブラッククミンシードオイル」または「ブラックシードオイル」という名称で販売されています。
これを料理に混ぜる、ドレッシングの材料として使う、蜂蜜やジュースなどに混ぜて飲むなど、通常の食事に取り入れることも可能です。ただし、加熱しないで摂取することがポイントです。目安としては1日に茶さじ1杯~3杯程度です。

ブラッククミンシードオイルの例

※ご使用については、商品説明をよく読んでご自身の責任において行って下さい。

ブラックシードオイルの例

※ご使用については、商品説明をよく読んでご自身の責任において行って下さい。

ニゲラサチバの種子油は、他にどんな効果があるのか?

エジプトや中東では「死以外のすべての病気の治療薬となる」とイスラムの預言者ムハンマドが言ったと伝わっており、その種子油はアラブ諸国では「聖なるオイル」、古代エジプトでは「ファラオオイル」と呼ばれ、珍重されてきました。

ビタミンA・B1・B2・B6・C・ナイアシン・フォラシンなどの豊富なビタミン、カルシウム・カリウム・鉄・マグネシウム・セレン・銅・リン・亜鉛など多くのミネラルまで含んでおり、研究が進められています。

近年の研究では、100種類以上の有効成分が発見され、抗菌性・抗鎮痛・抗炎症・抗ヒスタミン・抗腫瘍・抗酸化・免疫調整・解熱などの作用が報告されています。

癌治療への利用
アメリカでは癌治療のために研究されてきており、膵臓癌・前立腺癌・大腸癌における抗癌作用が期待されています。
自己免疫疾患への利用
慢性関節リウマチ・狼瘡・セリアック病・クローン病など一般的な自己免疫疾患の治療への利用も研究されています。
糖尿病治療への利用
血糖値を正常にする効果があると報告されています。
喘息・インフルエンザ・アレルギー・花粉症の治療への利用
喘息や花粉症の原因となるヒスタミンの分泌抑制に効果的であるという研究発表があり、抗炎症作用によって気管系の病気の治療への利用にも注目されています。
皮膚の疾患治療への利用
にきびや湿疹などには古代から伝統的に使われているようです。
美容への利用
抗酸化作用に注目したアンチエイジング・スキンケアとしてマッサージオイルやクリーム・石鹸などに使われます。

ニゲラサチバの種子油のまとめ

認知症予防に有効とされるチモキノンをはじめ、多くの成分で様々な効能が期待されているニゲラサチバの種子油は、副作用なども今のところは報告がありません。スパイスとしても使われているものですので、毎日の食生活に取り入れやすい点でも評価できるのではないでしょうか。

 

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