認知症予防は40代・50代が大きなポイント?

認知症予防は40代・50代が大きなポイント?

認知症に関しては40~50代がターニングポイントであり、認知症の予防を積極的に行うべきであると言われているようです。 詳しく見ていきましょう。

30~40代以降に脳の機能低下、生活習慣病のリスク

20歳頃に完成したヒトの脳は30~40歳頃でピークを迎え、そのあとは認知機能が低下してしまうそうです。

突然認知症になるのではなく、50歳頃から脳にアルツハイマーの病変が現れ始め、やがてMCI(軽度認知障害)になるのではないかと言われていることから考えると、認知症予防を意識するタイミングとして50歳を逃さないようにする必要があるようです。

また、アルツハイマー病と同様に認知症の大きな原因である脳血管障害は40代から悪化し始めることからも、40~50代が認知症のターニングポイントであると考えられそうです。

健康診断の結果に異常が現れて生活習慣病のリスクが高くなるのも、一般的にこの時期です。

また、当サイトでは異論がありますが、アルツハイマー病の原因と考えられているアミロイドβが脳に蓄積し始めるのは40代からであるため、この頃から認知症の予防をする必要があるという考え方もあります。

40~50代は人生の大きな転換期

40代も半ば頃になると、物忘れが気になったり無理がきかなくなったりして、誰もが年齢を意識せざるを得ない時期になってくるものです。

人生の折り返し地点ともいえるこの時期は、子供が成長して親の手から離れていくものの、まだまだ教育費が家計を圧迫する大変な時期でしょう。

さらに、親の介護が必要になったりする人生の大きな転換期でもあり、特に女性の場合は閉経や更年期を迎えて心身ともに大きく変化し、ストレスを抱えたり色々な病気のリスクが高くなったりする時期であると言えます。

そろそろ自分自身の老後の心配もしなくてはならない時期であり、生活設計を改めて見直す必要性も出てくることでしょう。

40~50代は、いろいろな面で人生の大きな転換期となるでしょう。

 

仕事や家事のマンネリ化やストレス

また、40~50代では仕事や家事がマンネリ化してしまうこともあるようです。

就職してから長く続けてきた仕事や、結婚してから毎日休みなくこなしてきた家事を、わざわざ頭を使うこともなく漫然とやっているだけという人も多いかもしれません。

昨今、企業では業務の効率化が進んで仕事が細分化され、固定化した業務だけを行うこともあるでしょうし、家事においても便利な家電等の普及により、効率化と共にマンネリ化してしまうことになりそうです。

さらにIT化も進んでいるため、自分の脳で考えることよりパソコンやスマートフォンを頼りにして、頭を使わなくなることが増えているとも言えそうです。

日常生活をそのまま受け入れているだけでは、認知症の入り口に自ら立ってしまうことにつながるかも知れません。

 

50代の仕事のストレスが認知症の原因となることも

しかしその一方で、40~50代というのはまさに働き盛りであり、会社勤めであれば責任ある役職にも就いて、どうしても無理をしてストレスを抱えやすい場合もあると考えられます。

スウェーデンでは、ある研究チームが約30年という長期にわたって、50代の仕事のストレスと認知症やアルツハイマー病との関係を調べました。

研究結果が「The Journals of Gerontology」誌に発表されたのは、2016年4月のことです。

この研究では50代の人1,511名が対象となり、まず、仕事のストレスの有無を調査しました。

調査には2つの質問が用意され、1つ目は「自分の仕事をこなすのが大変だと感じることがあるか」、2つ目は「時間に追われて仕事をしているかどうか」で、それぞれの頻度について「全くない」から「常に感じている」までの5段階での回答が求められました。

そして、調査の対象となった人たちが70~80代になった約30年後に、認知症やアルツハイマー病にかかっているかどうかを調べたのです。

その結果、50代で仕事にストレスを感じていた人と感じていなかった人とでは、認知症になるリスクに1.53倍もの違いがあり、アルツハイマー病になるリスクは1.55倍であることが明らかになり、仕事のストレスが大きく関わっていることがわかりました。

さらに注目すべき点は、2つ目の質問にあった「時間に追われること」が認知症の大きなリスクになることがわかったということです。

 

ワーキングメモリーは40~50代から個人差が大きくなる

2005年から2007年にかけて、諏訪東京理科大学が10歳前後から80代までの1,300人を対象に行った、ワーキングメモリーに関する調査があります。

ワーキングメモリー (作動記憶、作業記憶) とは、短時間に脳内で情報を保って同時に処理する能力のことです。

ワーキングメモリーの能力は、20代で早くも低下し始めて、40代後半からは個人差が大きくなり、高齢になるほど個人差が大きくなるそうです。

脳も筋肉と同様に鍛えることで強くなる一方、使わずにいるとどんどん機能が低下していくそうです。

ワーキングメモリーの個人差が大きくなる40代後半から50代は、そのあと60代以降の脳の機能が維持できるか低下するか、あるいは向上するかのターニングポイントであるとのことです。

このように、40~50代の時期は色々な点から、認知症の予防をしっかり行うべき重要なターニングポイントであると言えそうです。

 

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