アルツハイマー型認知症の父母の面倒を見る(50代男性)

怒りっぽく喧嘩が絶えなくなる父母

喧嘩が絶えない父母の毎日

父母が認知症になってから二人とも怒りっぽくなって、毎日喧嘩が絶えないようになりました。

母の発言に対して、父が「なんでそんなに皮肉っぽく言うんだ」と難癖をつけ、それに対して母は「さっさと入院しなさい」と怒りだし、入院は死んでも嫌だと思っている父と衝突になります。

当時は私もイライラしていたので三つ巴の争いになりました。

当初父は、脳神経外科から難病の進行性核上性麻痺の疑いありとの診断を受けており、診断を確定するためには、検査入院が必要だったのですが、父は「入院は嫌いだ。最低でも個室にして欲しい」と公言するぐらい我がままだったので、実質入院を拒否していました。

病院で診断を受けた時も、医師を相手に喧嘩をしてしまったぐらいです。

そのため、父を入院させたい母との間で一日に何度も口論が起きることになります。お互い、気に障ることを言わなければ平穏に終わるのですが、どうしてもそのことに関心が集中するのか、同じことを何度も繰り返し話題に出すことになります。

 

コミュニケーション能力に欠ける私(息子)を攻め立てる父母

私は、年相応のコミュニケーション能力に欠けるため、父母の怒りを買ってしまいます。

私が会話などで年上の人を怒らせたり、ひんしゅくを買ったりすると、父母ともに、かさにかかって責め立てるようになりました。

私も怒られると我慢できず反論するのですが、父は私の反論を「怠け者の甘え」だと決めつけて、一笑にふします。

そして憎々しげに皮肉を言うのです。

父母ともに、成長のない私に対して、認知症になる前よりも辛辣になってきました。そして、長いお説教が始まるのです。

言っていることは正論ですが、こちらの状況をまったく考えてはもらえません。

おそらく父母の頭の中では、私は小中学生の息子程度に思っているのでしょう。なので、二人から囲まれて叱責を受けるのはなかなか辛いものがあります。だいたい1時間ぐらいお説教を食らうことになります。

 

父母とも、すぐに怒りの沸点に達する

父母ともに、すぐに怒りの沸点に達して、怒鳴りつけるようになりました。

父は睡眠薬を愛用してるのですが、飲んだことを忘れてしまい、私に詰め寄ります。

「睡眠薬を隠したんだろう。よこせ」と怒鳴ります。ある時など、睡眠薬を私から大目に奪い取り、手で後ろに隠して渡さなかったことがあります。

その量は普段の倍なので、転倒の危険性が高いため、どうしても取り戻さなくてはいけなかったのですが、頑なに拒否をしてその日はそれで終わりました。

母は、自分が言われたことを忘れてしまい。全て私の落ち度になってしまいます。

必ず母は、私が言い忘れたことにして怒り、いくら説明をしても話を聞いてくれません、挙句の果てには「息子は昔から嘘つきだった」「先生も嘘つきだと言っていた」と昔の話を持ちだして、否定するようになります。

とにかく、二人とも些細なことで怒りのゲージがマックスになり、割を食うのはいつも私です。

 

認知症と怒りは切っても切れない関係

認知症と怒りというのは切っても切れない関係だと思います。

薬の副作用でもないようですし(そもそも父は認知症薬を服用していません)、もしかしたら息子の私の対応がまずいのかもしれません。

私自身、怒った風に発言することが多く、優しい言葉をかけることが難しい傾向があります。なので、父母ともに私の発言に反応して怒っているのかもしれません。

また、私の特徴ですが敬語が一切使えず、目上の人相手にため口になってしまうため、礼儀作法を特に気にする父にとっては、怒りの導火線のようになっています。

やはり、年上の人は敬って、敬意を持って接しなければならないのですが、親が相手だと、その辺の配慮が出来ず、難しいと思います。