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認知症になりにくい職業(ワシントン・ポスト紙報告)

認知症になりにくい職業(ワシントン・ポスト紙報告)

アメリカのワシントンで広く読まれているワシントン・ポスト紙において、職業と認知症との関係性についての研究結果が報じられました。

ワシントン・ポスト紙による報道

ワシントンポスト紙に掲載された研究結果は、今年の7月にカナダのトロントで開催された、第31回国際アルツハイマー病協会国際会議で発表されたものです。

この会議は世界各地で毎年1回開催されており、次回は2017年4月に日本国内(京都市)で開催されることになっています。世界の60ヶ国から、4千人ほどの参加者が見込まれているそうです。

今回、ワシントン・ポスト紙に掲載された研究の結果や内容について、見ていきます。

 

職業が、認知症になりやすい食生活を補う

カナダのトロントに、ロットマン・リサーチ・インスティテュートという研究機関があります。ここで研究を行っているマシュー・パロット博士は、欧米人にありがちな、体に良くない食生活により認知機能が低下する可能性に着目しました。

欧米人の場合、日本人のように魚や大豆製品、米、野菜等を多く食べるのではなく、赤身の肉類や加工肉、精製されてビタミンやミネラルが失われた小麦粉のパン、添加物や油等が多く含まれる加工食品や甘いお菓子を中心とした食生活を送っていることが多いようです。

しかし、たとえそのよう認知症になりやすい食生活を送っている人でも、頭を使って脳を刺激し、人との関わりを多く持つ職業に就いている人は、認知症になりにくいという結果が発表されました。

 

職業により認知症の病変も問題化しない

また、アメリカ合衆国のウィスコンシン大学アルツハイマー病研究センターのエリザベス・ブーツ博士も、頭を使って人と関わる職業に就く人が認知症になりにくいのではないかという結果を発表しました。

ブーツ博士の研究では、平均年齢60歳の健常者284人の協力を得て、脳のMRI検査を行いました。
MRIとは、磁石と電波を使って体内の状態を映し出す検査のことで、病気の診断のために多く使われている検査のひとつです。

ブーツ博士は、MRI検査により、大脳白質病変がある人を探しました。大脳白質病変とは、脳の一部が血液の巡りが悪くなって変化してしまう状態で、MRI検査では白い点となって映し出されます。この病変には、本人に何も自覚症状がない軽い程度のものもありますが、アルツハイマー型認知症脳血管型認知症に関係がある病変であるとされています。

MRI検査のあと、ブーツ博士は全員の記憶力や問題解決能力、職歴も調べました。その結果、たとえ大脳白質病変があっても、頭を使って人と多く関わる職業に就いていた人たちは、それ以外の職業に就いていた人たちと比べて、記憶力や問題解決能力が低下することなく維持できている傾向があることがわかりました。

脳に病変があっても、脳はそれに耐えて認知機能が維持されていたということです。

 

認知症になりにくい職業とは

では、認知症になりにくいとされている職業と、なりやすいとされている職業にはどのようなものがあるのでしょうか。今回の研究では、認知症になりにくいとされている職業の例としては、以下の職業が挙げられています。

  • 医師
  • 弁護士
  • カウンセラー
  • ソーシャルワーカー
  • 牧師

いずれも、人と対話をしながら助言や指導、診断等を行う職業です。

反対に、認知症になりやすいとされている職業では、他者から指示を受けて単純な労働をする職業として、以下の職業が挙げられています。

  • 機械の単純な操作をするオペレーター
  • 一般的な肉体労働者
  • 商店やスーパーのレジ係

日常的に物やデータを扱う職業に就いている人よりも、人と多く関わる職業に就いている人の方が、脳に刺激を与え活性化させることができるため、認知症になりにくいようです。

人と対話をして問題解決を図ろうとする職業では、豊富な知識や経験はもちろん、高いコミュニケーション能力が必要とされます。これは、メンタリングとも呼ばれる方法であり、脳の一番複雑な機能を使っているとされています。

このような職業では、人との対話の中で生じる物事に即座に対応する必要性が高く、脳の機能を駆使する職業であると言えるようです。

 

職業だけにとらわれないことも大切

もちろん、認知症になりやすいかどうかによって職業を選んだり、現在就いている職業を変えたりすることは、必ずしも現実的ではないでしょう。脳の複雑な機能を使う職業に就いている人は、精神的な疲労もかなり強いと言えるかもしれません。

また当然ですが、認知症になりやすいとされている職業に就いている人が、すべて認知症になるとは言えません。

日常生活はもちろん、職業以外の趣味やいろいろな活動においても、自分自身の脳の機能をできるだけ多く使えるような機会を持ち、周りの人と多く接していくことを心がけることが大切なのではないでしょうか(参考:認知症になりにくい条件)。

 

 

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