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認知症対策(魚食1)

認知症対策(魚食1)

認知症の予防(食事)」でも触れている通り、魚介類を積極的に食べることは脳に良いと言われていますが、魚介類にどのような成分が含まれていて、それが認知症予防にどのような効果が期待できるか、ご存じでしょうか。

各国で研究されている魚食と認知症の関係

魚食に認知症予防効果があることを研究している機関は多く、様々な報告がされています。

シカゴでは、65歳から94歳までの815人の食生活とアルツハイマー病発症などについて、4年間調査した研究結果が報告されました。
その報告によると、4年間で131人がアルツハイマー病を発症していたのですが、1週間に最低でも1回は魚を食べていた人は、ほとんど食べない・全く食べなかったグループに比べて、発症する割合が60%低かったそうです。

日本では、自治医科大学さいたま医療センターの植木彰教授の研究チームによる調査から、魚を食べることによって認知症予防に効果があることが分かっています。植木教授は「アルツハイマー病がわかる本」「認知症を防ぐスーパー健脳食」などの著書で知られています。

DHAで血液サラサラ、血栓症の予防、脳の活性化

魚だけに含まれている脂のひとつが「DHA」です。

DHAというのは、ドコサヘキサエン酸という、オメガ3(ω-3)脂肪酸(不飽和脂肪酸)のひとつです。DHAを摂取することによって、血液をサラサラにする効果があります。脳梗塞などの脳の血管に異常が起きて発症する「脳血管性認知症」の予防が期待できます。

DHAが不足すると、脳内セロトニン量が減っていくという研究結果が報告されています。

脳内セロトニンというのは、脳内の神経伝達物質としての働きがあります。ということで、DHAを摂取することで、脳の活性化や情緒を安定させる働きに効果があるようです。

身近な魚介類のなかでは、アジ・イワシ・鮭・サバ・サンマ・ブリ・マグロなどに多く含まれています。できれば刺身、または煮物にして煮汁と一緒に食べるのが良いそうです。

EPAも血液サラサラ効果、心臓病・脳梗塞予防

魚だけに含まれている脂のもうひとつが「EPA」です。

EPAというのは、エイコサペンタエン酸というオメガ3(ω-3)脂肪酸(n-3系脂肪酸)のひとつです。DHAと同じように、血液をサラサラにする効果があり、中性脂肪を低下させてくれます。それによって、心臓病や脳梗塞を予防する効果があります。そして、がんの発生を少なくする、あるいは抑える効果があるという研究結果も報告されています。

EPAがDHAと一緒に紹介されているのを見たことがある人も多いと思いますが、EPAの方がより血液の流動性を高める効果が高いようです。
DHAはEPAよりも悪玉コレステロールを下げる効果が高く、この2つの魚の脂の相乗効果で、脳内の血管を健康に保つ効果が期待されます。

身近な魚介類のなかでは、イワシ・ウナギ・はまち・サバなどに多く含まれています。DHAと同様に、できれば刺身、または煮物にして煮汁と一緒に食べるのが良いそうです。

 

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