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認知症の予防・改善

認知症の予防・改善

既に、「認知症とは何か」のページで紹介しましたが、認知症の原因のひとつであるアルツハイマー病にかかっていても、認知症ではない場合があるという報告があります。これには、「社会環境」や「脳の予備力」が大きく関係しているようです。

「脳の予備力」とは、例えば脳の病気が元で神経細胞が減って症状が現れるはずだとしても、脳全体の連携・ネットワークがうまくいっていて、脳が働き続けられるという考え方、その能力のことです。認知症にならないためには実際にどんな生活を送り、何を心がけたらいいのでしょうか。

脳を活性化させること(脳の予備力)

脳トレ(脳のトレーニング)をすると認知症が予防できるということで、計算や音読を繰り返し行ったりする方法や、ゲームが話題になったことがあります。しかし、残念ながら、脳トレが必ずしも認知症の予防に効果があるとは言い切れないようです。

計算や音読などで同じ行動を繰り返すよりも、会話や趣味などで脳のいろいろな働きを活用していく方が、脳のネットワークがより良いものになるようです。そもそも、計算などを繰り返し行っても、あまり楽しさは感じられないのではないでしょうか。

脳を活性化させて脳の予備力を高めるためには、日常生活の中で負担なく続けられることをいろいろ試してみるのが、効果的なようです。例えば、日記をつけたり料理をしたり、新聞や本を読んだり、囲碁や将棋、麻雀をしたりすることです。

頭で考えたり、手を使って作業をしたり、体のいろいろな部分を使うのがいいようです。大事なのは、生き生きと意欲的に生きているということです。

人との関わりを大切にすること

家族だけでなく、近所の知り合いやデイサービスのスタッフ、趣味の仲間など、より多くの人と関わることで、違った話題にも触れることができます。

人付き合いはどうも苦手だという人もいるかもしれませんが、あいさつを交わして短い会話をする程度の、負担の少ないことから始めてみるといいでしょう。もちろん、直接会って関わることだけでなく、電話で話をしたり手紙を書いたりすることによっても、脳が活性化すると言われています。

高齢者の環境の大きな変化を避けること

高齢者の環境が大きく変化した時は、認知症になりやすいので注意が必要だと言われています。変化さえなければ日々の生活にそれなりに適応できているのに、例えば引越などで家の中の勝手が違うような状態になると、混乱を招くことがあるようです。

高齢になって生活環境の整備が必要になる場合もありますが、できるだけ慣れた環境で暮らせるようにすることが望ましいでしょう。身内の人や親しい人が亡くなったり病気になったりするなど、どうしても避けられない変化もありますが、家族や身近な人がしっかり話を聞くなどして、支えてあげることが大切です。

「7つの危険な要因」を避けること

アメリカで行われた研究によると、アルツハイマー病を予防するために避けたい、7つの危険な要因があるとのことです。
それは、

  1. 糖尿病
  2. 中年期の高血圧
  3. 中年期の肥満
  4. うつ
  5. 運動不足
  6. 喫煙
  7. 低い教育水準

で、これらの要因がなければ、アルツハイマー型認知症になる人は半減するであろうと言われています。

これは世界中の研究から結果を出しているので、教育が普及した国には該当しない要因もあります。しかし、脳の活性化だけでなく、体全体の健康が認知症の予防につながることが、この研究からよくわかります。

ご覧のようにこれらの予防策は、健常者の健康管理にも言えることばかりですね。

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