環境の大きな変化で認知症に1(引越し、引退)

環境の大きな変化で認知症に1(引越し、引退)

認知症になる「きっかけ」のはあるのでしょうか。フレディ松川先生の病院の傾向を見ると、環境の大きな変化、大きなストレスが引き金になる場合があると言います。(フレディ松川先生の研究・書籍を参考にしています)。

※だからと言って必ず認知症になるということではありませんので、誤解なきよう。
一般的な予防の参考としてお読み下さい。

仕事を引退し、家督を息子に譲る

仕事や家庭環境の変化が、認知症になりやすい状況を作ることがあるようです。

例えば、自営業を創業した父が息子や婿に事業を継承するために引退する。息子夫婦も、長年頑張ってきた父に楽をしてもらいたいと思って何でも自分たちがやってあげようとする結果、父のやることがなくなってしまった。たまに父が仕事場を訪れても、元の仕事場には自分のデスクも役割も、自分が付き合いをつないできた顧客の顔もない。

やがて父は、たまに孫の相手をするか、一日中座ったままテレビを見ているかの生活となります。やることもやる気も運動の習慣も失った状態が続けば、ほんの数年で認知症になってしまうことも想像に難くないといいます。

こうなってくると、単純に楽をして悠々自適にしてもらうことが親孝行とは言い切れず、最後まで意欲を失わずに頑張ってもらう場を奪わないことが、真の親孝行といえるかもしれません。

娘や嫁に家事を奪われる

また家庭の主婦であっても同様のようです。

二世帯が同居しているときなど、娘が母親に対して、あるいは嫁が姑に対して、「私が全部やりますから、お母さんは何もしないでいいですよ」ということが、母の仕事とやる気を奪い、結果的に認知症になりやすくしてしまうケースが多いといいます。

同じ台所を母と娘が使うとすると、それぞれ考え方ややり方が違うため問題やストレスがおきやすくなり、母が台所を去ることになってしまい、母のやることを奪ってしまうケースも多いようです。

親と子、それぞれの役割を持つことが大事

こうしたことを防ぐためには、親子それぞれの役割を持つことがよいといいます。

例えば母の場合、普段は娘が食事を用意するが、娘は同時に仕事も持っているため、あるときは母に食事の準備や子供の世話などを頼む。

例えば父の場合、仕事の最前線から身を引いたとしても、昔からの顧客の付き合いをつないでもらうとか、ことあるごとに代表として挨拶に出向いてもらうなど、何かしら父にしかできないことを任せる。

そういったことでそれぞれの役割、仕事を持ち、意欲を持ち続けられれば、認知症にもなりづらく、何歳になっても若々しく生きていける可能性が高まるといいます。

高齢での引越し

環境の大きな変化として、高齢になってからのむやみな新築、引越しは避けるべきだといわれています。

高齢になった、あるいは認知症になったことで、親を子供が引き取って同居するなどの場合も、同様のようです。
その理由は、高齢者は環境の変化に対しての順応性が低いからです。

本人にしてみると、それまで慣れ親しんできた部屋や身の回りのものを捨て、長年つきあってきた知友人とも会えなくなり、全く違う部屋、環境に放り込まれることになります。
我が家の安心感も失われ、近所に散歩に行くなどの日課もなくなり、部屋の中に閉じこもってボーっとしていることにもなりかねません。

こうした状態が認知症になりやすい条件として数えられるのは、既におわかりかと思います。しかし、実際に遠くに住んでいる独居の親をそのままにしておけないため、引き取って同居することも少なくないと思います。引越しや同居、それによって環境を変えてしまうことについて、どうしたら家族と本人にとって最善な選択なのかはその人たちによって様々で、決して一概には言えません。

 

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