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ビタミンEはなぜアルツハイマー病の進行を抑えると言われているのか

ビタミンEはなぜアルツハイマー病の進行を抑えると言われているのか

ビタミンEは、ビタミンAやCと比べてあまり耳慣れないビタミンかもしれませんが、認知症の原因になるアルツハイマー病を予防したり、進行を抑制したりする効果があることが明らかになってきたそうです。

なぜ効果があるのか、そしてビタミンEを摂取する方法について見ていきましょう。

ビタミンEの抗酸化作用がアルツハイマー病を予防・改善する

人間は酸素を体内に取り入れて生きていますが、体内で使われなかった酸素は活性酸素に変化して、体を酸化させてしまうのです。酸化とは、例えば金属がさびるような状態です。

抗酸化作用とは、体内に発生した活性酸素を抑制する働きのことです。

体が酸化すると細胞や血管等が傷ついて、糖尿病や高脂血症等の生活習慣病やアルツハイマー病を引き起こす可能性も出てくるようです。

ビタミンEの抗酸化作用は、内臓や皮膚等を若々しく保ち、血行を良くする効果があると言われていて、「若返りのビタミン」と呼ばれることもあるそうです。ビタミンEは体内の細胞膜にある脂質に入り込んで、細胞膜を守ると考えられているそうです。

脳の血行も改善して老化が予防できますから、アルツハイマー病や認知症の予防や改善にも効果があると言えるのでしょう。

認知症の薬よりビタミンEの方が効果的だった研究結果

2014年に米医学誌に発表された、ビタミンEのアルツハイマー病への効果に関する研究があります。

米ミネアポリス退役軍人ヘルスケアシステムの研究者であるディスケン氏らが、軽度から中程度のアルツハイマー病患者613人(ほとんどが男性で平均年齢79歳)を対象に行った研究です。

613人のアルツハイマー病患者は、約4年の間、メマンチンではない治療薬を服用していたそうです。

患者全員を、以下の4つのグループに分けてそれぞれ服用を継続してもらい、2年余り経過後、生活機能がどれだけ変化したかを調査しました。

  1. ビタミンEだけ服用
  2. 認知症治療薬メマンチンだけ服用
  3. メマンチンとビタミンEの両方を服用
  4. 偽薬(実は薬ではないもの)を服用

その結果、グループ1.ではグループ4.と比べて、アルツハイマー病の進行を約半年抑制することができたことに加え、介護に要する時間も短縮できたことがわかりました。

グループ2.ではこのような改善は見られず、グループ3.ではグループ2.よりもさらに効果がなかったそうです。

認知症の治療薬よりもビタミンEの方が効果的であったという、驚くべき結果です。

この他にも、米ジョンズホプキンス大学や米ブルームバーグ公衆衛生大学の研究チームが、ビタミンEとビタミンCを一緒に摂取すればアルツハイマー病が予防できると報告しています。

 

ビタミンEを摂取できる食品

ビタミンE
アーモンド、松の実、落花生、かぼちゃ、大根の葉、アボカド、卵黄、うなぎ、すじこ、いくら、コーン油、菜種油等に多く含まれています。

ビタミンEの1日の摂取量として、成人男性、女性ともに8mg程度が必要です。(目安として、例えばうなぎのかば焼き100gには約4.9g、アーモンド10粒には約2.9mgののビタミンEが含まれています)

ビタミンEは脂に溶けるビタミンですが、水には溶けないので、摂取しても体外に排泄されず蓄積されます。熱に弱く酸化しやすい性質があるので、加熱しないでそのまま食べられるナッツ類やアボカドなら、手軽にビタミンEが摂取できそうです。野菜サラダのドレッシングを作る場合は、コーン油や菜種油を選ぶとよいでしょう。

食品だけで摂るのが難しい場合は、サプリメントで摂取する方法も効果的です。

 

ビタミンAやビタミンCと共に摂取すれば、さらに効果的

ビタミンEは単独で摂取するよりも、ビタミンAやビタミンCと一緒に摂取すれば相乗効果が得られるそうです。

ビタミンCにはビタミンEの抗酸化作用を促進する働きがあり、ビタミンEはビタミンAの酸化を防ぐ働きをすると言われていますから、この3つのビタミンは「三位一体」で効果を表すと言えそうです。

ビタミンCは野菜や果物に多く含まれていますし、ビタミンAは鶏や豚のレバー、うなぎ、かぼちゃ、ほうれん草等に特に多く含まれていますから、好みも考えながら3つのビタミンが摂取できるように組み合わせたメニューを考えるといいでしょう。

 

認知症初期の段階でビタミンEを摂取すると、より効果的

一般的に、認知症の初期ではないかと思われる時期は、受診することに抵抗を感じる人も多く、認知症の進行を抑える手立てを何もできないまま過ぎてしまうことがあるようです。

認知症の初期のうちに行うことができる方法のひとつとして、食生活の中でビタミンEを多く摂取することは、認知症の人自身があまり抵抗を感じない予防法なのではないでしょうか。

認知症の疑いがあっても否定したいという気持ちは誰にでもあると思いますが、食事を楽しみながら認知症の予防や改善をすることは受け入れやすい方法であると言えそうです。

さらに、認知症の自覚症状が出る前の早い時期からビタミンEの摂取を心掛けることが、長い目で見て、認知症予防につながると思われます。

 

 

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