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早期発見のメリット

早期発見のメリット

「認知症(旧痴呆症)は治らないものだ」「良くて進行を遅らせられるかどうかだ」というイメージを持っている方は多いと思います。事実、いくつかの病気を除いては、現在では「完全に元の状態に戻す」方法はないようです。

しかし、認知症の早期発見にはいくつかのメリットがあります。思い込みを捨て、早期発見・早期治療について考えてみましょう。

早期の治療で治る病気がある

認知症の原因となる病気には、「慢性硬膜下血腫」や「正常圧水頭症」のように、早期診断をして治療をすれば、確実に治せるとされているものがあるのです。

また、早期に発見して適切な治療をしないと悪化する「レビー小体型認知症」もあります。躊躇して放置していたら、回復は望めなくなります。治療が遅れると後遺症が残ったり、命の危険に関わる場合もあるのです。早期発見によって、これらの治療のタイミングを失わないようにしましょう。

適切な薬物療法で周辺症状の改善を重視するコウノメソッドでも、早く見つければそれだけ早く良く治る、と説いています。

 

早期の処方で薬の効き目を高められる

認知症は現在「治療法はない」とされていますが、日々薬の開発は行われています。現在では数種類の薬が、進行を遅らせたり周辺症状を抑えるのに役立つことがあるとされています。しかしこれらも、病気が進んでから投与しても効果が望めないと言われています。早期発見によって、薬をより有効に使えると言えるのです。

早期の対応で、適切な治療やケアができる

早期から医師の適切な診断が下され、適切な治療やケアを行うことは重要です。知識のない状態でやみくもに介護・ケアすることでは、本人の苦痛は緩和されませんし、介護する側も、的外れな努力や苦労を続けてしまうことにもなりかねません。場合によっては、症状を悪化させてしまうこともありえます。早期発見によって、本人にとっても介護側にとっても、より良い状態を保てることにつながるのです。

例えば、最近の研究で注目されている「体と頭を同時に使う認知症予防法」によって、脳内で物忘れ改善物質BDNFを増やし、物忘れや認知症を予防・改善できる可能性があるようです。

また周囲の本人への接し方としても、初期の対応が肝心とされています。正常と症状の間のグレーゾーンを行ったり来たりしている本人をむやみに怒ったり叱ったりすると、心理的に本人を追い込んでしまい、認知症の進行を進めてしまうことがあるというのです。

体と頭を同時に使う認知症予防法(BDNFを増やす)

認知症初期の接し方

早期の対応で今後の対策を立てやすくなる

仮に症状の進行を遅らせたりできるとしたら、何がメリットなのでしょうか。

まず本人が、症状が緩やかに進行することで、落ち着いた時間をより長く過ごせる可能性があること。そして、介護する側が必要な知識を得たり、他者や機関に助けを求めたり、あらゆるサービスを受けるための準備ができるなど、介護側の体制を作りができることです。

ケアマネージャーなど、介護の要である人に依頼し、長期的なプランをたてることが可能になります。住環境、本人の意思確認、財産の管理、治療方針、危険の回避などに早くから取り組むことができます。

できるだけ早く信頼できる医師を探す

現在日本には、認知症治療の知識と経験を詰んだ信頼できる医師、あるいは家族の気持ち・悩みをよく聞き出してアドバイスしてくれる医師が少ないようです。

最初にかかった医師に違和感を感じたり、治療法や薬の処方に疑問を感じた場合には、医師を変えて、家族の納得のいく医師にかかる必要があります。つまり、できるだけ早く信頼できる医師を探すためにも、早めの診察が必要であると考えられます。

早期発見の難しさ

しかしながら、早期発見には難しい面もあります。

認知症の初期のころには、もの忘れがあるにもかかわらず、本人がどこかそれを自覚していて、他者に悟られまいとする(言い方は悪いですが)「取り繕い」の行為も見られます。例えば、「今何歳ですか?」と問われても「最近では歳も気にしなくなってきましたよ」等と返したりします。そうすると、専門の医師にであってもそれが症状なのかどうか、診断が難しくなるのです。

本人にとっては、失われていく記憶や感覚など、いわゆる「弱み」を他人とのやり取りの中で露呈することをおそれ、本能的にそれを補おうとしているのではないか、とも言われています。これは認知症の人でなくても、人である限りあり得ることですよね。

こうした「取り繕い」もあることにより、なるべく正確な診断をするためには、本人の答えだけではなく、まわりの家族の言葉も大切になってくるのです。

本人へ告知するかどうか

早期発見した後に、ひとつの大きな問題があります。「本人へ告知するかどうか」という問題です。診断の結果「認知症だった」ということを本人に伝えるべきかどうか。これは、簡単には判断できないことです。

認知症初期のころには本人にまだまだ自覚があるため、「自分は認知症などではない」と受け入れることを拒否したり、あるいは症状が進行してくると「周りのみんながグルになって、自分のことを病人扱いしている」などと怒り出すこともあるかもしれません。また、ショックのあまり自ら命を絶つことを考えてしまう可能性も、場合によっては否定できません。

本人に真相は知らせずに終末まで見送る、あるいは本人がもはや真実を認識できない状態で、真相が伝わらないまま終わりを迎える場合もあります。知らせるのが良いか悪いかは、誰にも言えません。

この問題には、本人の性格、環境や人間関係、それまでの経緯など、様々な要因が絡んでおり、一概にどちらが良いとは言えません。告知するべきかどうかは、実際に大きく意見が分かれているようです。

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